パワハラ

パワハラを受けたら【最初にやるべきこと】は?

パワハラを受けたら【最初にやるべきこと】は?

職場での理不尽な言動や叱責が続いていて、「これはパワハラではないか」と感じているさんは少なくありません。しかし、いざその状況に置かれると、何から手をつければよいのかわからず、ひとりで抱え込んでしまうことが多いと思われます。

この記事では、パワハラを受けたときに最初にやるべき具体的なステップを、厚生労働省の情報をもとに整理してご紹介します。正しい順序で行動することで、自分の身を守り、適切な解決へとつながる可能性が高まります。

💡この記事でわかること
✨ パワハラを受けたときに最初に取るべき3つの行動ステップがわかります
✨ 証拠・記録の正しい残し方と、その後の活用方法が理解できます
✨ 社内外の相談窓口の選び方と、相談時のポイントが身につきます

パワハラを受けたら、まず「安全確保→記録→相談」の順で行動することが重要です

パワハラを受けたときに最初にやるべきことは、大きく3つのステップに整理されます。

  • 身の安全と心身の健康を確保する
  • 起きた事実をできるだけ早く具体的に記録する
  • 社内または社外の相談窓口に相談する

この順序が重要である理由は、自分の状態が悪化してしまうと、その後の行動がとりにくくなってしまうためです。まず自分自身を守ることを最優先に考えることが、適切な解決への第一歩となります。

なぜこの3ステップが有効なのか

パワハラへの対応において、この3ステップが有効とされる理由を詳しく解説します。

ステップ1:安全と健康の確保が最優先である理由

パワハラを受けている状況では、心身ともに消耗している場合が多いと思われます。厚生労働省も、メンタルヘルス不調が見られる場合には早急な対応が必要であると案内しています。

特に暴力や脅迫といった直接的な危険がある場合には、まずその場を離れて安全を確保することが優先されます。
また、眠れない、会社に行けない、強い不安が続くといった状態が続いているさんは、医療機関や産業医への受診を検討することが望まれます。

心身の状態が悪化した後では、冷静に記録を取ったり相談先を探したりすることが難しくなる可能性があります。そのため、まず自分の安全と健康を確保することが、すべての行動の土台となるのです。

ステップ2:記録が重要な証拠になる理由

パワハラの問題において、記録は最も重要な証拠になり得ます。時間が経つほど記憶は薄れ、事実の詳細が曖昧になってしまう可能性があります。そのため、できればその日のうちに記録をまとめることが推奨されています。

厚生労働省の「あかるい職場応援団」でも、日時・場所・言動・相手・目撃者などの整理や、メモ・録音による記録が勧められています。具体的に記録しておくべき内容は以下のとおりです。

  • いつ・どこで起きたか
  • 誰がどのような言葉や行動をとったか
  • その場にいた人物・目撃者
  • その後の仕事や体調への影響
  • 同様の行為が繰り返された日時や頻度

メールやチャットのやり取り、業務指示の記録、手帳のメモなども重要な資料になります。後から確認できる形で保存しておくことが大切です。

録音をする際の注意点

録音は有効な記録手段の一つですが、取り扱いには注意が必要です。元データは必ず保管し、編集や第三者への無断公開は避けるべきです。録音データの扱い方については、相談先の担当者に確認することをお勧めします。

ステップ3:相談することで解決の道が開ける理由

記録が整ったら、次は相談です。ひとりで解決しようとすることは難しく、状況が悪化する可能性もあります。相談することで、専門的なアドバイスを受けながら、適切な対応方法を検討できるようになります。

また、現在の法制度では、職場にはパワハラ相談に対応する体制の整備が求められています。さらに、相談したことを理由に解雇や不利益な扱いをすることは禁止されており、プライバシーへの配慮も義務づけられています。安心して相談できる環境が法律によって守られているといえます。

具体的な行動例:状況別の対処法

ここでは、実際にパワハラを受けた際の具体的な行動例を3つのシチュエーションに分けてご紹介します。

ケース1:上司から継続的に叱責・侮辱を受けている場合

上司から日常的に「お前はダメだ」「そんなことも分からないのか」といった侮辱的な言葉をかけられているさんは、少なくないと思われます。このような場合は、以下の手順で対処することが有効です。

  • 発言があった日時・場所・内容を、その日のうちにメモ帳やスマートフォンのメモ機能に記録する
  • 同じ場にいた同僚が証人になり得るため、氏名もメモしておく
  • 社内にハラスメント相談窓口がある場合は、記録をもとに相談する
  • 相談が難しい場合は、厚生労働省の「総合労働相談コーナー」へ相談する

この種の問題では、1回の発言では「指導の範囲内」と判断される可能性もあります。継続的な記録を積み重ねることで、パターンとしての証拠が形成されます。

ケース2:過大な業務量や無理な要求を押しつけられている場合

業務量の問題はパワハラの一類型として認識されています。深夜まで残業することを強いられたり、明らかに能力の範囲を超えた業務を一方的に押しつけられたりしているさんは、以下の対応が考えられます。

  • 業務指示の内容をメールやチャットなどの文書で残すよう努める
  • 残業時間や深夜対応の日時を記録し、労働時間の実態を可視化する
  • 体調に不安がある場合は、産業医や医療機関に相談する
  • 社内の人事部門や労働組合があれば相談先として活用する

過大な業務の押しつけは、精神的・身体的健康を損なう可能性があります。早めに記録と相談を行うことが重要です。

ケース3:社内での相談が難しく、外部機関を頼りたい場合

パワハラの加害者が直属の上司であったり、社内の相談窓口が機能していないと感じるさんは、外部の相談機関を利用することが有効です。

厚生労働省が設置している「総合労働相談コーナー」では、いじめ・嫌がらせを含む労働問題について、電話または面談で相談を受け付けています。この窓口は全国の労働局・労働基準監督署などに設置されており、費用は無料です。

  • 相談前に記録をまとめ、「いつ・どこで・誰が・何をしたか」を整理しておく
  • 「どうしてほしいか」(行為を止めてほしい、接触を避けたい、調査してほしいなど)も明確にしておく
  • 厚生労働省のウェブサイトから、最寄りの相談窓口の所在地・連絡先を確認できます

また、弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談することも、状況によっては選択肢の一つとなります。特に法的な対応を検討している場合は、専門家の助言を得ることが望まれます。

パワハラを受けたら最初にやるべきことのまとめ

この記事でご紹介した内容を、最後に整理します。

  • 安全確保:危険や心身の不調があれば、まず自分の安全と健康を最優先にする
  • 記録:その日のうちに、日時・場所・言動・目撃者などを具体的にメモする
  • 相談:社内窓口または厚生労働省の「総合労働相談コーナー」に、記録をもとに相談する

重要なのは、ひとりで抱え込まず、記録と相談を早めに行動に移すことです。法律によって、相談したことを理由にした不利益な取り扱いは禁止されています。安心して相談窓口を活用してください。

パワハラは、受けた方さんに何の落ち度もない問題です。「自分が悪いのではないか」と感じてしまうことも多いかもしれませんが、それは誤りです。適切な行動を一歩ずつ進めることで、状況は必ず変わり得ます。

まず今日できることは、ノートやスマートフォンのメモに、起きたことを記録することです。
その小さな一歩が、問題解決への大切な第一歩となります。

一人で悩み続けることなく、どうぞ相談窓口を頼ってください。あなたさんの権利を守るために、支援の仕組みはしっかりと整備されています。